国際線の乗り継ぎ時間は、空港の規模や手続きの複雑さによって大きく異なります。また、各空港には「Minimum Connecting Time（MCT）」と呼ばれる最低乗り継ぎ時間が設定されています。MCTは、航空会社や空港が定める乗り継ぎに必要な最短時間を示しており、この時間を下回ると、乗り遅れた際に代替便の保障がされない可能性があります。

一方で、MCTを満たしている場合、たとえ乗り遅れても、航空会社によって代替便が手配されることが一般的です。しかし、学会出張や重要な会議に参加する際は、予定に遅れることで発表や大事なセッションに参加できなくなる可能性があります。MCTはあくまで最低時間であり、次のような要因によってはMCTよりもさらに乗り継ぎ時間にゆとりを持たせる必要がありますので注意してください。

• 大規模空港：
  空港が大規模であればあるほど、ターミナル間や搭乗ゲートまでの移動に時間がかかることがあります。例えば、アメリカのロサンゼルス国際空港（LAX）や、イギリスのロンドン・ヒースロー空港（LHR）では、ターミナル間の移動に専用のバスや電車を利用する必要があり、数十分かかる場合もあります。
  さらに、夏休みや年末年始などの休暇シーズンは、空港自体が混雑し、セキュリティチェックやゲートまでの移動に通常よりも時間がかかることがあるため、通常より長めの乗り継ぎ時間を計画するのが賢明です。
• 入国審査：
  国によっては、乗り継ぎ時に入国審査を通過する必要があります。例えば、アメリカの空港では、乗り継ぎ便を利用する場合でも一度入国手続きを行い、その後に次の便に乗り換える必要があります。特にニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港（JFK）やシカゴ・オヘア国際空港（ORD）など、入国審査が厳しいアメリカの空港では、審査に時間がかかることがあるため注意が必要です。
• 手荷物の再チェックイン：
  アメリカの空港などでは、乗り継ぎの際に一度手荷物を受け取り、再度チェックインしなければならないため、乗り継ぎ便に間に合うためには、手荷物の受け取り時間を考慮しなければなりません。

大規模ハブ空港のメリットとデメリット

大規模なハブ空港では、乗り継ぎがスムーズに行えるように設計されていることが一般的です。たとえば、ヨーロッパのフランクフルト国際空港（FRA）やアメリカのアトランタ国際空港（ATL）は、世界的に有名なハブ空港であり、多くの国際便が発着しているため、乗り継ぎの便数が多く、柔軟なフライトスケジュールが提供されています。仮に乗り遅れた場合でも、代替便が見つかりやすいのが利点です。

しかし、これらの空港は非常に広く、ターミナル間の移動に時間がかかることが多いです。例えば、フランクフルト空港では、ターミナル間を移動するには、シャトルバスを利用する必要があり、通常の移動時間に加え、移動手段の待ち時間も考慮しなければなりません。

小規模空港の利点とリスク

一方で、小規模な空港では、ターミナル間の移動が簡単で、乗り継ぎが効率的に行えることが多いです。例えば、フィンランドのヘルシンキ・ヴァンター国際空港（HEL）のようなコンパクトな空港は、セキュリティチェックから搭乗ゲートまでの距離が短く、ターミナル間の移動も徒歩で簡単に済むため、ストレスなく乗り継ぎができます。

ただし、小規模空港にはリスクもあります。便数が少ないため、フライトの遅延やキャンセルが発生した場合、代替便を確保するのが難しいことがあります。遅延が発生すると次の便まで長時間待たされることがあるため、乗り継ぎの際には慎重な計画が必要です。

乗り継ぎ時間を計算する際には、フライトの遅延を考慮することも重要です。特に、冬季や悪天候が予想される時期には、遅延のリスクが高まります。そのため、乗り継ぎ時間を長めに設定しておくと安心です。

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