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海外からの招待講演者への謝礼に関する注意事項

招聘手配

日本国内で国際会議を開催する際、海外からの招待講演者への謝礼に関する税務処理は重要なポイントです。特に所得税の源泉徴収と租税条約に関する理解は不可欠です。以下では、この2つのポイントを中心に必要な情報をまとめます。

海外からの招待講演者への謝礼と所得税の源泉徴収

国際会議の主催者が海外から招待した講演者に謝礼を支払う場合、その謝礼に対して所得税の源泉徴収が必要です。

所得税の源泉徴収の概要

日本の所得税法によると、非居住者に支払われる講演料、出演料、技術指導料などの報酬は、20.42%の所得税を源泉徴収する必要があります。この源泉徴収は、支払者である主催者が行う義務があります。

手続きの流れ

  1. 謝礼の支払い前に源泉徴収額を計算:支払額から20.42%を控除した金額を講演者に支払います。
  2. 源泉徴収税額の納付:支払いを行った翌月10日までに、控除した税額を税務署に納付します。
  3. 納付書の作成と提出:納付書を作成し、税務署に提出します。

租税条約による免税の可能性

日本は多くの国と租税条約を締結しており、この条約に基づいて特定の条件を満たす場合、講演者の所得が軽減または免除となることがあります。

租税条約とは

租税条約は、二重課税を防ぐための国際協定であり、これにより特定の所得が一方の国でのみ課税されるよう定められています。日本と租税条約を締結している国の居住者が講演者の場合、謝礼に対する所得税が免除されることがあります。

租税条約締結国の一覧

日本と租税条約を締結している国の一覧は、財務省ホームページ(我が国の租税条約ネットワーク)より確認することができます。

財務省ホームページより

免税の手続き

「租税条約に関する届出書」や講演者の居住証明書などの必要書類を準備し、講演者へ謝礼を支払う前日までに税務署に提出します。

[手続概要]租税条約に関する届出(自由職業者・芸能人・運動家・短期滞在者の報酬・給与に対する所得税の免除)
[様式] 「租税条約に関する届出書」(様式7)

免税のメリット

免税が認められた場合、主催者は謝礼から所得税を源泉徴収する必要がなくなり、講演者も手取り額が増えるため、両者にとって有利です。

注意事項

免税の手続きは、謝礼の支払いを行う前日までに完了しておく必要があります。提出書類の中には取得に時間がかかるものもあり、早めに準備を進める必要があります。

まとめ

海外からの招待講演者への謝礼支払いでは、

  • 所得税の源泉徴収が原則必要
  • 租税条約を活用すれば免税の可能性がある
  • 適切な手続きを時間に余裕を持って行うことが重要

という点を理解しておくことが重要です。事前の準備をしっかり行うことで、国際会議の円滑な運営が可能になります。